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労働時間に規制があったの?

  • Kyコンサルタント
  • 2017年9月8日
  • 読了時間: 3分

少し前の事になるが、労働者20名ほどの小規模事業場の社長から相談があった事例を少し話す事にしよう。

 会社の事業は建設業、主に土木工事と下水管工事を行う会社であった。

この会社には人事労務管理の部署や担当がいない、いわゆる事務員が経理・総務を兼務する形で事務所を切り盛りする状況で会社を運営していた。

 現実に、人事労務管理の担当がいない零細企業や小規模事業者は多く存在する。

この会社もその形態であった。

 問題は、この会社の事務員が「労働時間に法の規制がある事を知らなかった!(実際は、労働基準法で、1日 / 8時間・1週 / 40時間と言う法定労働時間の規制を理解していなかった)事が判明した。

 会社は朝8時から午後5時までの労働で、昼に1時間・10時と15時に15分づつの休憩があり、実労働7.5時間の所定労働時間となっていた。

 実際の労働時間管理を見てみると、7.5時間 ×6日(月〜土)=45時間となる。

1週間で40時間が法定労働時間であるから、「5時間オーバーしている」と言う事になる。

 ではここで、法定労働時間について確認しておこう。

法定労働時間とは、「労働基準法32条は,労働時間について,「使用者は,労働者に,休憩時間を除き1週間について40時間を超えて,労働させてはならない」・「使用者は、1週間の各日については、休憩時間を除き1日について8時間を超えて労働させてはならない」と規定している。

 つまり、労働基準法は休憩時間を除いて「1日では8時間・1週間では40時間までを労働時間の限度として定めていて、使用者は、この労働時間を超えて労働者を働かせることはできないと原則の定めをしている。

 そして、この労働基準法によって定められている1日8時間・1週40時間までという原則的な労働時間のことを「法定労働時間」と呼んでいる。

 ここから今日の話しのポイントです!

では、1日8時間・1週40時間の労働時間を超えたらどうなるのか?

 労基法では法定労働時間を超えて労働者を働かせてはいけない。と(基本原則)で定めていますので、45時間労働の場合は、「5時間オーバー」しているので法違反と考えられます。

 では、1日8時間・1週40時間の労働時間を超えて労働させるにはどうしたらいいのか! ポイントは二つ!

 ①36協定と呼ばれる「時間外・休日労働に関する協定届」を労働基準監督署に届出する必要がある。

 労働基準法第36条には 「労働者は法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場合には、あらかじめ労働組合または、労働者の過半数を超える支持を得た代表者と使用者の間で書面による協定を締結しなければならない」と定めています。

 この36協定の締結と、労基署への36協定書の届出をもって、はじめて労働者に残業させる事ができるのです。

②この会社の場合、1日単位で見た場合、7.5時間の労働であったので、事務員は残業代が発生している事が分からなかった。労基法では、1日8時間・1週40時間となっている為、1週間の労働時間の合計も確認する必要があった。

 よって、1週間で見た場合は、総労働時間が45時間となる為、5時間分の残業代が発生していた。残業代未払いの法違反と考える。

 この会社は、すぐに労働時間の再計算を行い、過去2年に遡って残業代の未払い清算をした。また、労働者との36協定を締結し、労基署への36協定届けも行った。

 以上の事から、労働者自身も労基法での労働者の権利と法による定めを知っておく必要がある事。また、事務員だけでなく、会社の経営に携わる人(役員・社長・など)は管理責任は会社にある事を自覚して、自身の事業に関わる関係法規は勉強して、知らなかったでは済まされない事を認識してもらいたい。


 
 
 

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