労基法上の管理監督者と労働時間規制
- Kyコンサルタント
- 2017年9月27日
- 読了時間: 3分
今日は、管理職と労基法上の管理監督者についてお話しをしたいと思います。
企業における管理には様々なものがあり、その種類(管理職の階位)も違います。
法の解釈によると、管理監督者とは「一般的には、局長・部長・工場長など、労働条件の決定、 その他労務管理について経営者と一体的な立場にあるものの意であるが、名称にとらわれず、出退勤等について厳格な制限を受けない者について実態的に判断すべき」であるとされている。
ここでの注意点は、
*経営者と一体的な立場にある者
*名称にとらわれず、実質的に管理監督者としての権限と地位を与えられている者
*出退勤等、労働時間について厳格な制限を受けない者
*地位にふさわしい賃金面等での処遇がなされている者
などです。
いまいち分からないと言う人のために、私見から申し上げながら、具体的に説明します。
私見で申し上げるなら、管理監督者の地位は実態的には、3段階であると考えます。
まず、「下位管理職」
これは、班長・チーフ・リーダー・主任・係長(場合により課長)
次に「中間管理職」
これは、課長・部長・次長・局長・工場長・マネージャー・統括マネージャー・等
最後に「上位管理職」
これは、執行役員・取締役・役付兼務者・社長・など
労基法で言う「名称にとらわれず」と言うところに注意が必要です。
例え、工場長と言う肩書きを持っていても、単なる労働者の管理上で工場長の肩書きを貰っていて「会社の経営にはたずさわらない」「権限もパート労働者やアルバイトの採用や退職については決められるが、工場内の社員の人事までは権限が無い」と言う工場長も意外と多くいます。
又、部長の地位を貰っているが、経営自体には参画が認められず、上位管理者からの売上等、経営側で取決めた内容を伝えられ、ノルマを達成する様に指示されるだけの部長もいます。
実態的に見た場合は、取締役等の役付兼務が付いている部長や執行役員等が実質的な企業における経営者と一体的な立場にあるものと考えられる。
上位管理職ともなれば、地位は勿論のこと権限、賃金等の面でも優遇されており、労基法上の管理監督者の条件を満たしていると考える。
企業の中で誤解されている方も多いので、あたらめて申し上げるとすれば、単に企業内において役職(課長・部長・工場長・マネージャー・店長・支店長など)になっているからと言って、労基法上の管理監督者には当たらないと言う事。
実態が伴わない管理職は、一般労働者と同じく、残業時の割増賃金や労働時間の管理が必要とされるので、管理職は「何時間労働させても大丈夫」とか「残業代は払わなくて良い」と言う考えや認識は「ダメ」である。
簡単に言えば「法違反」になると認識してもらいたい。
現実、多くの企業が、管理監督者への「残業代未払い」「労働時間管理」において、違法とされ裁判で争った末、未払い残業代等の支払いを命じられており、企業にとってのメリットはない。
この事実をいち早く企業内に於いて認識され、もし、上記のような状態が確認されるようであれば、是正を行い、該当労働者に対して清算をする事を考えてもらいたい。
裁判になったり、労基法違反として「企業実名報道」がなされてからでは、企業における損失は計り知れない事を認識してほしい。
補足を付け加えるなら、管理監督者であっても、深夜に労働した場合の深夜割増賃金は除外にならない為、支払いが必要になる事に注意する必要もある。
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