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企業に於ける有休取得と生産性!全3話中2話

  • Kyコンサルタント
  • 2017年9月13日
  • 読了時間: 5分

会社は、労働者からの有給休暇の請求(使用の申し出)について、どのようにしたら違法となるのか? について話して行きます。

 労働相談の中で、会社から「当社は有給休暇は無い」「パート・アルバイトは無いよ」などと言われてしまった。どうしたら良いでしょう? との問い合わせが多いが、会社から「有給休暇は無い」と言われただけでは、即座に「違法」と言う訳では無い。

 違法じゃ無いからといって「当社は有給休暇は無い」と言っても良いわけでは無い!

 有給休暇は、労働者に対して法(労基法)により「付与される」事については1話で話したと思うが、労働者の当然の権利として「付与」された有給休暇について、会社は「有給休暇は無い」と言ってはならない事は当然である。

 それでは、会社から「有給休暇は無い」と言われたら有給休暇は使えないのかと言うと、それは「使える」と言う事になる。使用できるのだ!

 そんな会社にどうすれば良いのかと言うと、会社に「有給休暇を使います」と言う「有給休暇の申請(使用請求と言います)をする」事で、使えるようになる。

 ただ、会社に「有給休暇の申請」をする場合において、口頭で「何月何日に有給休暇を使います」と言った場合に、のちに会社から「そんなの聞いてない」なんて言われてしまう事や「言った・言わない」「聞いた・聞かない」なんて事になる可能性もありますから、必ず「書面で申請」するようにしましょう。

 簡単に言えば、有給休暇の申請をした「証拠」を残す!と言う事になります。

 一般的な会社では、就業規則で有給休暇の申請の時期や方法の定めがあり、会社独自の「有給休暇申請書」も決まっている場合があります。

 しかし、「当社は有給休暇は無い」と言う会社では、当然就業規則等の定めも申請の様式も無いので、任意の様式で構いませんので、書面で「何月何日の所定労働日について有給休暇を使用しますので、お願いします」と記載して会社に提出すれば良い。

 尚、この時、会社が反発して「そんなもの受け取らない」などと言う会社も存在しますので、その場合は「配達証明郵便等」で会社に郵送する事でも問題ありません。

この時に、会社に出す「有給休暇の申請書をコピーしておくのを忘れずに!」

 郵送する意味は! その背景には、悪質な会社になると郵便が届いていても、「届いていない。」なんて言う会社も存在しますので、心配な場合は「内容証明郵便」と言う弁護士さんなんかも使う郵送方法があります。(要するに証拠を残すと言う事です)

 次にいよいよ「有給休暇を使う」わけですが、極端な事を言えば「有給休暇の使用」に会社の承認はいらない。なんて事も、いわば言えるのです。なぜなら、有給休暇の付与は法で定められているわけですから、使用に関しても労働者の自由な時に使えるのです。(出来る限り会社に有給休暇の使用を認めてもらうのが望ましい)

 だからと言って、無断で休んで後から「有給休暇扱いにして」と言うわけには行きません。有給休暇の使用に関する規制は「事前申請」となっており、後付けでは無いからです。でも、やむを得ない理由で会社が合意する場合は、その限りではありません。

(会社が同意すれば後付けでも大丈夫と言う事です。)

 ここからポイントです!

会社に有給休暇の申請をしたら、実際に申請した日に有給休暇で休みます。その後、休んだ有給休暇の日を含む給料日に、実際に休んだ有給休暇の賃金が入っていない場合、簡単に言うと、有給休暇を使ったのに、会社が認めずに「欠勤扱い」して、有給休暇の賃金を払わなかった場合、法違反となります。

 整理しますと、「有給休暇は無い」と言ったり、申請をしても容易に認めないなど。この時点では、法違反の恐れがある状態で、違反決定では無いと言う事になります。

 少し難しいですが、有給休暇を使用してその賃金が支払われない場合に違反が確定します。

 では、法違反の恐れがある場合はどうなるかと言うと、「注意・助言・指導」などになる場合があり、法違反となれば「是正指導・是正勧告」となりますので、会社では十分に気を配っておく必要があります。

 では、会社にはどのような権利があるのかと言うと「時季変更権」と言うものがあります。

 これは、労働者の申請した有給休暇の使用が「事業の正常な運営を妨げる」場合です。この判断にあたっては、「事業の内容、規模、労働者の担当業務の内容、業務の繁閑、予定された有給休暇の日数、他の労働者の休暇の重なりや、代わりの労働者との調整などの諸般の事情を総合的に判断する必要があり、単に日常的に業務が忙しいとか、慢性的に人手が足りないと言う事だけでは、要件は充たされないと言えます。

 そうしないと、人手不足の会社ではおよそ有給休暇がとれなくなるからです。

 では「時季変更権」とは、どのように使用するのかと言うと、有給休暇の使用を拒否するのではなく、有給休暇の時期(使用日)について、労働者に話しをして、使用日を前後にずらせないかどうかを話すこと、または、有給休暇の使用日が他の労働者の休みと複数重なった場合も変更の話しをすることで、時期を変更する権利があるとされていますが、会社側の一方的な変更や横暴的な変更は、後にトラブルを招く原因になりますので、会社側は慎重に対応すべきと考えます。

 次に、労働者の有給休暇の申請と使用について、トラブルに発展する場合についてお話しをしておきます。

 会社が認めない場合は、会社に有給休暇の申請書を郵送で送っても使用可能だと話しましたが、(労基法上では可能です。)民事上で、会社が労働者が休んだ事により「損害が発生した」と言う理由で「損害賠償請求」を起こす可能性も「ゼロ」ではありません。

 この場合は、会社が「損害の程度や、状況など損害が起きた事実と損害金の証明」をしなければなりませんので、費用対効果を見た場合は、おおよそ労働者への損害賠償は無いと考えられますが、先にも述べた通り「ゼロ」では無い為、有給休暇の使用を強行する場合は、その点も理解した上で「強行する・しない」の判断をしてください。

 そのそも論として、この様な事態を防ぐにはどうしたらいいのか? について3話で話しをまとめたいと思います。


 
 
 

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